概要
UC Davis Coffee Centerは、University of California, DavisのCollege of Engineeringに置かれた、コーヒー科学と教育を専門とする学際的な研究センターです。工学、食品科学、農業・環境科学、化学、感覚科学、農業経済学など、学内の複数分野を横断して研究者と学生を結びます。University of California, Davis全体を指す名称ではなく、同大学の組織内でコーヒーに関する研究、教育、産学連携を担う拠点です。
成り立ち
センターの起点は、化学工学のTonya KuhlとWilliam Ristenpartが2013年に開発した学部選択科目「The Design of Coffee」です。UC Davisは2014年に、学内でコーヒー研究に関心を持つ教員を結ぶCoffee Initiativeを開始し、2015年にはUndergraduate Coffee Labを整備しました。その後、2021年に専用施設の場所を確保し、2022年に改修工事へ進み、2024年5月3日にCoffee Centerの建物が正式開設しました。2024年の大学発表では、50人を超えるUC Davisの専門家がセンターに参加しているとされています。
研究と教育
研究対象は、生産から抽出までの幅広い工程に及びます。農業と環境、発酵微生物学、収穫後処理、生豆保管、焙煎時の化学反応、抽出、感覚・消費者科学、食品安全、農業経済などが含まれます。専用施設には、生豆保管、パイロットロースタリー、抽出、カッピングと感覚評価、化学分析のための設備が設けられ、学部・大学院教育と研究の双方に使われています。研究テーマを一つの学科へ閉じず、自然科学、工学、社会科学をまたいで扱い、コーヒー業界の実務課題と学術研究を接続する点がセンターの特徴です。
教育面では、コーヒーを題材に化学工学の原理を学ぶ授業から発展し、学部生、大学院生、継続教育の受講者へ機会を広げています。コーヒー科学の修士課程構想も公表されていますが、公式案内では開発・審査中であり、現時点で学位課程が開設済みとは扱えません。大学院生は既存の食品科学、植物科学、化学、農業工学、農業経済学などの課程に所属しながら、コーヒー研究へ参加しています。
研究資金とSCAとの協働
Specialty Coffee Association(SCA)とは、2017年の抽出基礎研究を含む共同研究を重ねてきました。2026年9月には、SCAの100万米ドルの寄付を原資とするSpecialty Coffee Association Endowed Fellowship in Coffee Scienceが発表されました。基金はUC Davisが管理・運用し、現時点の推計で約4%、年約4万米ドルを大学院でのコーヒー研究支援へ配分すると説明されています。この金額は運用に基づく現在推計で、毎年の固定支給額ではありません。応募資格、選考方法、募集開始時期、最初の採用者と研究課題は、発表時点では示されていません。

