工程
基本工程は、完熟果の選別、果皮・果肉の除去、ミューシレージを残したパーチメントの乾燥です。乾燥中はミューシレージに含まれる糖や水分が微生物活動と乾燥速度に影響するため、攪拌、層の厚さ、日射、温湿度、乾燥時間の管理が重要になります。ミューシレージを残す割合は、機械の設定や処理回数によって調整できます。2025年のFood Chemistry: Xの研究では、Catimorを用い、完全除去、20%、50〜60%、75〜80%、完全保持という条件を比較し、残存率によって微生物群集と揮発性成分の構成が変わることを示しました。
色による呼び分け
White、Yellow、Red、Black Honeyという呼称は、ミューシレージの残存量、乾燥時間、乾燥中の見た目などを表すために使われます。ただし、色名と数値条件の対応は世界共通の規格ではありません。前述の研究では20%をWhite、50〜60%をYellow、75〜80%をRed、完全保持をBlackと定義しましたが、別の生産者や産地では異なる基準が用いられる場合があります。色名だけで工程を比較せず、残存率、発酵の有無、乾燥方法を確認する必要があります。
Washed・Naturalとの境界
Washedでは通常、乾燥前にミューシレージを十分に除去します。Naturalではチェリーを果皮付きのまま乾燥させます。Honey processは果皮を除き、ミューシレージを伴うパーチメントを乾燥させる点で両者と区別できます。一方、発酵槽で休ませる、機械的に一部を除く、短く洗浄するなどの操作は生産者ごとに異なります。そのため、Honeyという表示は単一の固定レシピではなく、ミューシレージを残して乾燥する工程群を指す言葉として理解するのが適切です。

